ホイッスルボイスとは?出し方や注意点を知って歌唱力を上げよう

ホイッスルボイスは、人間の声帯から出る最も高い声のことで、「超高音発声」や「超ハイトーン」とも呼ばれています。
このテクニックを身につければ、歌の表現力が一段と広がり、感情をより深く伝えられるようになります。
この記事では、ホイッスルボイスの基礎知識から、正しい出し方、 練習の注意点について解説します!
実際にホイッスルボイスを活用しているアーティストもご紹介していきますので、ぜひ最後までご一読ください!
ホイッスルボイスとは?
ホイッスルボイスとは、声帯の一部を細く閉じ、非常に高い音域で発声する特殊なテクニックです。
笛のように鋭く細い音が特徴で、通常の裏声(ファルセット)や地声では到達できない高音を表現できるため、歌唱において印象的なアクセントになります。
発声の分類でいうと、地声(チェストボイス)、中間声(ミドルボイス)、裏声(ヘッドボイス)よりもさらに高い音域に位置しています。
多くのプロ歌手が、超高音域の表現方法として活用しているテクニックの1つです。
女性ボーカリストに多く見られますが、正しいトレーニングを行えば男性でも習得できます。
ただし、ホイッスルボイスは高度な発声技術であるため、喉への負担を避けるためにも無理な練習は禁物です。
仕組みを正しく理解し、段階的にトレーニングを進めることが、習得への近道となるでしょう。
5ステップで解説!ホイッスルボイスの出し方
ホイッスルボイスの出し方には段階があり、順を追ってトレーニングすることで、喉への負担を抑えながら安全に習得できます。
しかし、感覚的な要素が多く含まれるため、いきなり出そうとするのは難しいです。
段階的に喉や声帯の使い方を理解し、少しずつ発声の感覚を掴んでいくことが重要です。
以下では、ホイッスルボイスの正しい出し方を5つのステップに分けて紹介していきますので、無理のない範囲で繰り返し実践し、少しずつ身に付けていきましょう。
①声帯を閉じる感覚を掴む
ホイッスルボイスを出すための第一歩は、声帯をしっかり閉じる感覚を身につけることです。
声帯がしっかり閉じていないと、息漏れが多くなり、安定した高音を出すことができません。
息を止めるような感覚で軽く咳払いをすると、声帯が閉じる感覚を確認できます。
この基礎感覚が、後のステップでの正しい発声に大きく影響します。
②声帯をゆるやかに閉じる感覚を掴む
感覚が掴めたら、力を入れすぎないように意識しながら、声帯をゆるやかに閉じてみましょう。
過度に力を入れると喉を傷める可能性があるため、脱力しながらピタッと閉じる感覚が理想です。
リラックスした状態で息を吐き、その途中で急に息を止めるようにしてみてください。
スッと閉じる感覚が分かれば、ホイッスルボイスに必要となる繊細なコントロール力が徐々に身についていきます。
③息を吸いながら(吸気発声)声を出す
ホイッスルボイスを出すためには、吸気発声で感覚を掴むことが効果的です。
息を吸いながら声を出す吸気発声を行うことで、声帯が強制的に細く閉じられ、ホイッスルボイスに近い音が出やすくなります。
無理に声を出そうとせず、優しく息を吸い込みながら、細く高い音が鳴るポイントを探ってみましょう。
もし音にならなくても、息の通り道を感じることが大切です。
④息を吸いながら高い声を出す
前のステップに慣れてきたら、吸気発声で少しずつ高音に近づけていきます。
あくびをする時のように喉の奥を広げ、口内に空間を作った状態でリラックスしながら息を吸い、喉の奥に響かせるようにしてみましょう。
笛のような鋭い音が出始めれば、ホイッスルボイスの感覚にかなり近づいています。
高い声を出そうと力むのではなく、声帯の動きと空気が通る道を意識するのがポイントです。
⑤呼気発声の状態で高い音を出す
最後のステップは、通常の呼気(吐く息)でホイッスルボイスを出す練習です。
最も難易度の高い工程ですが、吸気発声の時に掴んだ感覚をここで応用すれば、無理なくできるようになります。
細く鋭い音を意識しながら、喉の奥を締め、脱力した状態で息を吐くのがポイントです。
最初はかすれた音でも良いので、繰り返し行うことで安定したホイッスルボイスを目指しましょう。
ホイッスルボイスを習得するための注意点
ホイッスルボイスは高度な発声法で、喉や声帯に通常以上の負荷がかかりやすいです。
無理に練習を続けてしまうと、声帯を傷つけたり、喉に深刻なトラブルを招いたりするリスクもあります。
正しい出し方を学ぶことと同じくらい、練習時の注意点を理解しておくことが重要です。
そこでここでは、ホイッスルボイスを安全に習得するために意識したい3つのポイントを紹介します。
喉が痛くなったらすぐに中断する
ホイッスルボイスの練習中に喉に痛みや違和感を感じた場合は、すぐに練習を中止しましょう。
痛みがある状態で発声を続けると、声帯ポリープや声帯炎などの発声障害を引き起こす可能性があります。
痛みは体からの警告サインなので、無視してはいけません。
練習後に喉が乾燥していたり、声がかすれていたりする場合も、次回の練習まで十分に休息を取りましょう。
練習を長時間行わない
ホイッスルボイスのトレーニングは短時間にとどめることが重要です。
長時間にわたって練習を続けると、喉への負担が蓄積し、炎症や声枯れの原因になります。
1回の練習時間は10〜15分程度を目安とし、こまめに水分補給を行いながら無理のない範囲で続けることが効果的です。
毎日少しずつ練習を積み重ねることで、喉を傷めずにスキルを向上させることができます。
大きな声が出せる場所で練習を行う
ホイッスルボイスは非常に高く鋭い音が出るため、静かな環境や狭い室内での練習は適しません。
声を思い切り出せない状況では、身体が無意識に力んでしまい、喉を痛める原因となります。
環境を整えることは、発声のクオリティだけでなく安全面にも影響するため、防音室やカラオケボックスなど、十分なスペースのある場所で練習しましょう。
ホイッスルボイスを出せるアーティスト4選
ホイッスルボイスは、一般的な発声では到達できない超高音域を操るテクニックであるため、高度な技術が必要です。
この発声法を使いこなせるアーティストは限られていますが、その分、音楽シーンで強いインパクトを残しています。
ここでは、ホイッスルボイスを自在に出せる4名のアーティストを紹介し、それぞれの魅力や歌唱スタイルについて解説していきます。
音源を参考にすることで、習得へのモチベーションを高めていきましょう。
MISIA
日本を代表するR&BシンガーのMISIAは、ホイッスルボイスの使い手として非常に有名です。
圧倒的な音域の広さと安定した発声で、ライブでもその高音を自在にコントロールする姿は圧巻です。
代表曲「Everything」では、繊細なファルセットとともにホイッスルボイスが効果的に使われ、聴く人の心を震わせる表現力の高さが光っています。
技術だけでなく、感情表現にホイッスルボイスを取り入れている点もMISIAの魅力です。
Mariah Carey
世界的な歌姫であるMariah Careyは、ホイッスルボイスの第一人者ともいえる存在です。
特に90年代から2000年代初期の楽曲には、ホイッスルボイスを駆使したフレーズが多く登場していて、その美しさと迫力は唯一無二です。
「Emotions」や「Vision of Love」といった楽曲では、信じられないような高音を自在に操る様子がうかがえます。
彼女のホイッスルボイスは、もはや楽器のような美しい響きを持っており、世界中のボーカリストに影響を与えています。
京(DIR EN GREY)
日本のヴィジュアル系バンドDIR EN GREYのボーカル・京(きょう)は、男性でありながらホイッスルボイスを自在に操る希少な存在です。
激しいシャウトやグロウルと並行して、突き抜けるような高音を使いこなすそのスタイルは唯一無二であり、ライブでは驚異的な声の振れ幅を体感できます。
特に「Vinushka」や「Saku」といった楽曲では、ホイッスルボイスとデスボイスが交互に登場し、強烈なインパクトを残しています。
男性でもホイッスルボイスが出せるという実例として、非常に参考になるでしょう。
大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)
Mrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴は、柔らかく繊細な声質を持ちながらも、楽曲のなかで高いホイッスルボイスを響かせることがあります。
特に「僕のこと」や「インフェルノ」では、高音域でのコントロール力と表現の幅が際立っています。
彼のホイッスルボイスは、力強さよりも透明感や清涼感を与えるような印象があり、リスナーに独特の余韻を残します。
ナチュラルでありながらも高度な技術に支えられた歌唱が特徴で、繊細な音色でホイッスルボイスを出せる数少ない男性アーティストとして注目されています。
プロの指導を受けてホイッスルボイスを効率良く習得しよう
ホイッスルボイスは、声帯の使い方や呼吸コントロールが難しく、独学では限界を感じやすい発声法です。
練習してもうまく出せない場合は、フォームや声帯の動きに問題がある可能性があります。
また、自己流の練習を続けると喉を傷めたり、誤ったフォームが癖になったりする恐れがあるため、安全かつ効率的に習得するためには、プロの指導を受けるのが効果的です。
シアーミュージックのボイストレーニングでは、一人ひとりの声質やレベルに合わせ、プロの講師がマンツーマンの指導を行っています。
自宅で声が出しづらいという人も、防音設備の整った環境で思いきり高音を出すことが可能です。
短期間で確実に技術を身につけたい方は、お気軽にシアーミュージックの無料体験レッスンにお越しください!
お問い合わせほこちらから!ホイッスルボイスとは? | まとめ
この記事では、ホイッスルボイスの仕組みや出し方、練習時の注意点、実際に活用しているアーティストの例をご紹介しました。
ホイッスルボイスは、音域の限界を超えて美しい高音を出せるテクニックですが、習得には段階的な練習と喉への十分な配慮が必要です。
自己流の練習を続けると、誤った発声法が身に付いてしまう原因にもなるでしょう。
ボイストレーニングスクールには、未経験者でも安全に習得できるよう専門的なサポート体制が整っています。
自分の声の特性を知り、プロから的確な指導を受けることで、ホイッスルボイスを身に付けることができます。
声にさらなる表現力を加えたいなら、ぜひ一歩踏み出して挑戦してみましょう。

