シャウトを使いこなして歌う!初心者向けの出し方・練習法・おすすめ曲

激しい曲を歌うとき、もっと迫力のある声を出したい、感情を思いきりぶつけたいと感じたことはありませんか。
そんなときに効果的なのが、ロックやメタルなどでよく使われる発声法「シャウト」です。
シャウトは迫力と感情をダイレクトに聴き手に伝えることができますが、勢いのまま叫ぶように声を出してしまうと喉を痛めたり、声枯れや違和感の原因になることがあります。
正しい出し方を理解すれば、喉を守りながらも力強く響く声を出せるようになり、歌全体に迫力と表現力を加えられるでしょう。
この記事では、初心者にもわかりやすいようにシャウトの基本や出し方を紹介し、練習になる曲や参考にできる歌手、上達を早めるトレーニング方法も解説します。
本記事を参考に練習を続け、シャウトを自在に使いこなし、迫力ある歌声を手に入れましょう。
目次
歌における「シャウト」とは?
シャウトとは、声を張り上げて感情を解き放つように表現する発声法で、聴き手に強い印象を与える技術です。
主にロックやメタル、パンクなどのジャンルで使われ、歌詞に込められた想いやエネルギーをストレートに届けるために用いられます。
一見すると叫んでいるように聞こえますが、実際のシャウトは喉に負担をかけず、響きをコントロールして出す発声法です。
力任せに声を出すのではなく、息の流れと体全体の響きを使い、声を前に押し出すことで太く迫力のある音を生み出せます。
シャウトに似ている歌唱法
シャウトは力強く感情を表現できる発声法ですが、似たような歌い方もいくつか存在します。
特に「デスボイス」と「がなり声」は、シャウトと混同されやすい発声法です。
それぞれの特徴や違いを理解しておくと、自分が出したい声の方向性を見つけやすくなります。
ここでは、2つの代表的な発声法についてわかりやすく解説します。
デスボイス
デスボイスは、シャウトよりもさらに低く、うなりのような響きをもつ発声法です。
主にデスメタルやハードロックなどのジャンルで使われ、怒りや恐怖といった強い感情をより重厚に表現する際に用いられます。
シャウトが叫ぶような高めの咆哮でエネルギーを放出するのに対し、デスボイスは低音域で深く響かせる点が特徴です。
音の方向性や質感の違いから、同じ「激しい表現」でも印象が大きく異なり、楽曲全体の雰囲気を決定づける重要な要素となります。
がなり声
がなり声は、ロックやブルース、演歌などで使われることの多い発声法です。
シャウトのように激しく叫ぶのではなく、地声にざらつきを加えるような表現で、力強さや哀愁を生み出します。
シャウトが激情を爆発させるような一瞬のインパクトを狙うのに対し、がなり声は感情をじわりと滲ませるような持続的な表現が特徴です。
どちらも感情を伝える手段として有効ですが、音の質感や印象が異なるため、楽曲の雰囲気に合わせて使い分けることが重要です。
シャウトの出し方は2種類ある
一口にシャウトといっても、出し方によって種類が分かれ、音の響きも異なります。
自分に合った方法を理解して練習すれば、無理なく迫力のある声を出せるようになるでしょう。
ここでは、代表的な2種類のシャウト「フライ・スクリーム」と「フォールス・コード・スクリーム」それぞれの特徴と発声のコツを初心者にもわかりやすく解説します。
フライ・スクリーム
フライ・スクリームは、喉の奥でかすれたような音を出す発声法で、ロックやメタルの楽曲でよく使われています。
声帯の振動をできるだけ抑え、息にノイズを混ぜることでザラついた独特の響きが生まれます。
一見すると喉をつぶしているように聞こえますが、実際には強く締めつけず、自然な息の流れで声を作る発声法です。
力任せに声を出すのではなく、体全体の空気の流れを利用して前方に音を飛ばすように響かせます。
感情の高ぶりや切なさを表現する際に適しており、シャウトよりも柔らかく深みのある印象を与えられます。
フォールス・コード・スクリーム
フォールス・コード・スクリームは、太くて力強い声を出す発声法で、メタルやハードコアなどの音楽で多く使われています。
声を作る際には「仮声帯」と呼ばれる部分を使うため、胸の奥から響くような低く重い音を出せるのが特徴です。
息の流れをしっかり保ちながら声を響かせることで、安定感や迫力のあるサウンドを作り出せます。
正しいフォームで発声すれば喉への負担も少なく、ステージ上で長時間のパフォーマンスに耐えられるでしょう。
正しいシャウトの練習方法
シャウトを上達させるには、正しい発声を意識して練習することが大切です。
やみくもに叫ぶだけでは喉を痛める危険があり、声が出にくくなることもあります。
ここでは、2種類のシャウトそれぞれの練習方法をご紹介していきますので、喉を守りながら発声の感覚をつかむ参考にしてみてください。
フライ・スクリームの練習方法
フライ・スクリームを練習する際は、まず喉をリラックスさせることが重要です。
口を軽く開け、ため息をつくように「はぁー」と息を吐きながら、小さく声を乗せてみましょう。
このとき、喉の奥がかすかに震え、ザラッとした音が出ていれば正しい感覚です。
最初から大きな声を出そうとせず、弱い息で喉の振動を感じ、慣れてきたら声に少しずつ息の量を足して、音量を上げていきましょう。
また、喉を強く締めると痛めてしまうため、声を出している間も常にリラックスを意識してください。
短時間でも構わないので、毎日少しずつ続けることで自然なかすれ声が出しやすくなり、安定したフライ・スクリームへとつながります。
フォールス・コード・スクリームの練習方法
フォールス・コード・スクリームは、体の使い方を意識することがポイントです。
腹式呼吸で息を深く吸い込み、お腹の力で息を支えながら「う゛ー」と低い声を出し、喉の奥が自然に震える感覚を掴みましょう。
無理に大きな声を出す必要はないので、少しずつ息の圧を強めるように調整してください。
最初は10秒ほどの短い発声から始め、喉の違和感が出ない範囲で繰り返しましょう。
もし喉が痛くなった場合は、すぐに練習を中止し、十分に休むことが大切です。
慣れてくると、腹の支えを使って力強く長く発声できるようになるので、焦らずに少しずつ声の響きを育て、自然に迫力のあるシャウトを身に付けましょう。
シャウトを使ったおすすめの練習曲
シャウトを身につけるには、実際の曲で練習するのが効果的です。
音源に合わせて発声することで、声の強弱や感情の表現を体で覚えやすくなります。
ただし、いきなり難しい曲に挑戦すると喉を痛めるおそれがあるため、最初は無理のない範囲から始めましょう。
ここでは、男性・女性それぞれにおすすめの楽曲をご紹介します。
男性歌手の楽曲
男性ボーカルのシャウト練習には、ONE OK ROCKやSiM、Crossfaithなどのロックバンドの曲がおすすめです。
力強いサビ部分に短いシャウトが入っているため、部分的に練習しやすいのが特徴です。
たとえば、ONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」では、サビで声を張り上げる場面が多く、息の使い方や声の響かせ方をつかむ練習になります。
また、SiMの「KiLLiNG ME」やCrossfaithの「Monolith」なども、実際にシャウトを交えたボーカルスタイルが特徴で、迫力ある発声練習に向いています。
いずれの曲も強いエネルギーを要するため、喉を締めずに体全体で声を支えることを意識すると、安全に練習できるでしょう。
女性歌手の楽曲
女性ボーカルでシャウト練習をしたい場合は、アイナ・ジ・エンドさんが所属していたBiSHや、有馬えみりさん所属のPassCodeの楽曲がおすすめです。
BiSHの「MONSTERS」では、サビやラストで感情を爆発させるような声の張り上げがあり、シャウトに近い発声を体感できます。
また、PassCodeの「Ray」や「Miss Unlimited」などは、エレクトロサウンドに鋭いシャウトを交えた構成が特徴で、力強く息を使う練習に向いています。
いずれも感情の起伏が大きく、声でエネルギーを表現する曲が多いため、表現力を高めながらシャウトの基礎を身につけたい方に最適でしょう。
喉に負担がかかりやすい発声のため、体幹で支える意識を持ち、安全に練習を行うことが大切です。
正しいシャウトを身に付けるならボイストレーニングがおすすめ!
シャウトは感情を強く表現できる魅力的な発声法ですが、自己流で練習を続けると喉を痛める危険があります。
特に初心者のうちは、力の入れ方や息の使い方を誤りやすく、思うように声が出なくなることも少なくありません。
正しい発声を安全に身につけたい方には、ボイストレーニングの受講がおすすめです。
プロの講師から直接指導を受けることで、声の出し方や呼吸の使い方を自分に合った方法で学べるだけでなく、自己流では気付きにくい問題点にも気付くことができます。
シアーミュージックでは、マンツーマンのレッスンで一人ひとりのレベルや目的に合ったボイストレーニングを行っています!
喉への負担を最小限に抑えて効率よく安全にシャウトを習得できるだけでなく、ミックスボイスや高音発声などの基礎技術も総合的に学べます。
歌唱力をトータルで高めたい方にとって、プロによるボイストレーニングは非常に有効な方法といえるでしょう。
理想のシャウトを手に入れたい方は、ぜひ一度シアーミュージックの無料体験レッスンにお越しください。
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この記事では、シャウトの基本的な仕組みや2種類の発声法、練習方法、そしておすすめの練習曲について紹介しました。
シャウトは、正しい発声を身につければ、喉を痛めずに感情を力強く表現できる魅力的な技術です。
「フライ・スクリーム」や「フォールス・コード・スクリーム」など、それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法で練習することが上達への近道になります。
また、実際の曲を使って感情を込めて歌うことで、自然と声のコントロール力も高まります。
ただし、自己流での練習は喉を傷めるリスクもあるため、ボイストレーニングで専門家による指導を受けるのがおすすめです。
シアーミュージックのレッスンを通じて正しいシャウトの感覚を身につけ、力強く印象的な歌声を発揮しましょう!

