巻き舌のやり方とは?歌で使うときのコツと練習法を解説!

「巻き舌のやり方が分からない」「歌で自然に巻き舌を使えない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
巻き舌は少し特殊なテクニックですが、仕組みを理解して正しい方法で練習を積めば誰でも習得を目指せる発声法です。
この記事では、巻き舌の基本知識や仕組み、正しいやり方や練習のコツ、さらにできない原因と改善策まで解説していきます。
歌唱に巻き舌を取り入れて表現力を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
巻き舌とは?仕組みを解説
巻き舌とは、舌先を上前歯の裏やその奥にある硬口蓋(上あごの固い部分)に軽く触れさせ、息の流れによって舌を高速で振動させる発声方法です。
舌を震わせながらルルルやトゥルルといった音を出すのが特徴で、音を連続して出すトリルという演奏技法に似ていることから「タングトリル」とも呼ばれます。
巻き舌は外国語の発音にも多く使われますが、歌唱ではニュアンスや表現力を高めるテクニックとして活用され、プロの歌手の間でも広く取り入れられています。
巻き舌のやり方を紹介
巻き舌は力が入りすぎると振動が止まり、逆に力を抜きすぎると空気が漏れて音が途切れるため、舌の位置・息の方向・脱力の3つのバランスが特に重要です。
ここでは初心者が押さえておきたい基本の巻き舌のやり方を段階的に解説します。
①舌先を正しい位置に置く
まず、口の力を抜いて軽く開けてください。
舌先を上の前歯の裏側、もしくはその少し奥にある硬口蓋に軽く触れる程度に置きます。
このとき舌を強く押しつけると振動が生まれにくくなるため、触れているかどうかが分かる程度の、ごく軽い状態を保つことが大切です。
わずかな位置のズレでも音が出にくくなるため、鏡で舌の角度や触れ方を確認しながら調整してみてください。
安定した位置を見つけられると、舌先が空気の流れを受けやすくなります。
②舌を振動させる
舌先が歯から離れないようにして、息を吐いて舌を振動させましょう。
自力で舌を動かすのではなく、強風で旗がなびくように、息の風圧に委ねるのがポイントです。
このとき、強く息を吐くのではなく、腹式呼吸を使って細く長く一定の息を舌先に当てることが重要です。
息が弱すぎると音にならず、反対に強すぎると振動が止まってしまうため、力加減を丁寧に調整しましょう。
③舌を動かして「ら行」を発音する
舌を振動させられたら、そのまま「ら」「り」「る」「れ」「ろ」の発音をしてみましょう。
ラ行の発音には舌を巻く動きが多く含まれているため、繰り返すことで巻き舌の感覚がつかみやすくなります。
最初は「る」の音が出しやすいので、「るるるるる」から練習を始め、少しずつバリエーションを増やしていきましょう。
最初はゆっくりでもよいので、上記の練習を日々続け、徐々に巻き舌の習得を目指しましょう。
巻き舌をマスターするための練習のコツ
巻き舌は毎日少しずつ練習することで習得できます。
練習を継続して舌のコントロールや呼吸の安定を身につけましょう。
ここでは巻き舌をスムーズに上達させるための3つのコツを紹介します。
短時間でも毎日続ける
巻き舌を安定させるためには、舌の柔軟性と動きを細かくコントロールする力を毎日積み上げていくことが欠かせません。
一日に数分でも決まった時間に練習すれば感覚も身につきやすく、初心者でも習慣化できるでしょう。
舌の動かし方は筋力トレーニングに近い性質があり、期間が空くと感覚が戻りづらくなるため、短い時間でも継続することが上達への近道です。
少しずつ取り組むことで振動を生み出す筋力が安定し、巻き舌の動きがブレにくくなります。
鏡を使って舌の形や位置を確認する
巻き舌は感覚に頼って練習していると、知らないうちに舌の位置や角度がズレてしまうことがあります。
そのため、鏡を使って舌先の角度や口の開き方を視覚的にチェックする方法が効果的です。
特に、舌を押しつけすぎていないか、適度に力が抜けた状態になっているかを確認することがポイントになります。
本人にとってはわずかな違いでも、実際には音の出やすさに大きく影響するため、注意が必要です。
鏡での確認を定期的に取り入れることで、癖を早い段階で修正しやすくなり、上達までのスピードが高まりやすくなります。
巻き舌を使っている曲を歌う
巻き舌の感覚がつかめたら、巻き舌が多く使われる曲を歌うのもおすすめです。
単音での練習とは違い、前後の音と繋げる必要があるため、より自然で滑らかな舌の使い方が身につくでしょう。
メロディの勢いを活用することで、単独では出せなかった振動がスムーズに引き出されるようになります。
巻き舌は演歌やロックなどで使われることがあるため、自分が練習しやすい楽曲を探してみましょう。
巻き舌を習得することのメリット
巻き舌を習得することは発音や歌唱面において大きなメリットがあり、表現力や響きに影響を与える重要な技術です。
ここでは巻き舌がもたらす3つの代表的なメリットを紹介します。
歌に表情やアクセントがつく
巻き舌を使えるようになると歌に立体感が生まれ、フレーズに自然な勢いを加えられるようになります。
特にロックやアニソンのようにエネルギーを重視する曲では、巻き舌が迫力を引き出す役割を担い、全体の印象を大きく変えます。
フレーズの途中に短く巻き舌を入れるだけでも音にメリハリが生まれ、歌の印象を強められることが魅力です。
舌が細かく揺れることで音がクリアに感じられ、テンポの速い歌詞でも言葉が聞き取りやすくなる場合があります。
歌の表情を豊かにしたい人にとって、巻き舌は活用の幅が広い実践的なテクニックといえるでしょう。
発音が滑らかになり外国語の歌が歌いやすくなる
巻き舌はスペイン語やイタリア語などでよく使われていることもあり、この動きを覚えると外国語の歌がぐっと歌いやすくなります。
舌がスムーズに動くようになると言葉が自然に出せるようになるため、早いフレーズでも無理なく歌えるようになるでしょう。
巻き舌が加わると、外国語特有の音がしっかり出て曲の雰囲気を再現しやすくなり、発音でつまずきやすい箇所もスムーズに歌いやすくなります。
口周りのウォーミングアップとしても使える
巻き舌には舌やあごのこわばりをほぐす働きがあるため、歌う前の準備としてとても役立ちます。
発声の前に数秒行うだけでも口周りが動きやすくなり、声を出し始めたときの重さが軽く感じられるでしょう。
舌がリラックスすると動かせる範囲が広がり、声が出やすくなります。
さらに、口の中が温まることで言葉が出しやすくなるため、歌い始めに口が動きにくい人にもおすすめです。
短時間でできる準備運動なので、歌う前の習慣として取り入れておくとよいでしょう。
巻き舌ができない人の特徴
巻き舌ができない人には、舌の力み具合や息の向きなどに共通した傾向があり、練習しても音が出にくい原因が隠れていることがあります。
ここでは特に多い3つの特徴を取り上げ、改善のヒントにつながるポイントを分かりやすく紹介します。
舌に力が入りすぎている
巻き舌がうまく出ない人の多くは、舌やあごに余計な力が入り、振動が生まれにくい状態になっています。
舌を強く押しつけるほど空気の流れが遮られ、どれだけ息を送っても舌先が揺れにくくなることが大きな原因です。
まずは舌を軽く前に出し、力が抜けているかどうかを確認した上で柔らかい状態をつくることが重要になります。
脱力できると舌先に空気が当たりやすくなり、自然な振動が起こりやすくなります。
力みが抜けにくい場合は深呼吸で身体を緩めてから練習を始めると、巻き舌の感覚をつかめるでしょう。
息が弱い・方向がずれている
巻き舌は舌先にまっすぐ息が当たることで振動が生まれるため、息の強さと向きが整っていないと、音が続きにくくなります。
息が弱すぎると揺れが起こらず、強すぎると舌が押し戻されてしまうため、どちらの場合も安定した巻き舌ができません。
さらに息が舌先から外れた方向に流れていると振動が続かないため、息の向きを意識して調整する必要があります。
腹式呼吸で吸った空気を細く一定に吐き出すと、息の流れが安定しやすくなり、舌先に息を当てやすくなります。
息の角度と強さが整うほど巻き舌の持続時間が伸び、無理なく練習を継続できるようになるでしょう。
舌の柔軟性が不足している
舌の筋肉がかたく十分に動かない状態だと、空気の流れで舌先を揺らしにくくなり、巻き舌を続けにくくなります。
特に舌の側面や先端の筋肉が硬い、あるいは十分に発達していない場合、舌の両端を内側に引き上げてU字型やO字型に丸める動作が困難になります。
この柔軟性の不足は、訓練することで改善される可能性があり、舌を動かすストレッチやトレーニングが有効です。
舌を前に軽く伸ばしたり、上下にゆっくり動かしたりして、動きに余裕をつくる練習を行っていきましょう。
巻き舌のやり方が分からない時はボイストレーニングを活用しよう!
巻き舌は独学でも練習できますが、舌の位置や力の抜き方を自分だけで判断するのは難しく、習得までに時間がかかることがあります。
間違った動かし方が癖となると後から直すのが難しく、上達までの道のりが非常に長くなるでしょう。
効率よく巻き舌を習得したい人や歌で活用したいという人は、ボイストレーニングを利用するのがおすすめです。
音楽スクールのシアーミュージックでは、経験豊富なプロの講師が一人ひとりの発声法や癖を見た上で正しく歌唱のテクニックをアドバイスします。
歌に迫力をつけたい方や、ワンランク上の歌唱技術を身につけたい方に向け、レベルに合わせたレッスンをご提供します。
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巻き舌のやり方とは? | まとめ
この記事では、巻き舌の仕組みや正しいやり方、上達のコツ、できない理由と改善の方向性までをまとめて説明しました。
巻き舌は舌先の位置や息の流れ、そして脱力の3つをそろえることで習得しやすくなる発声方法です。
歌に取り入れると表現が豊かになり、発音のスムーズさやウォーミングアップとしての効果も期待できます。
正しい方法で毎日少しずつ続ければ、次第に自然な揺れが生まれ、巻き舌が安定してできるようになるでしょう。
さらに効率よく巻き舌を習得したい人は、シアーミュージックのボイストレーニングがおすすめです。
正しい歌唱フォームを身につけて、歌の表現力を伸ばしていきましょう。

