ファルセットとは?裏声との違いやコツ・練習方法を解説!
歌を歌っているときに、高音で声が裏返ったり、思うように伸びなかったりした経験はありませんか?
高音をスムーズに出すためには、裏声の一つであるファルセットを習得することで、柔らかく響くような高音を表現できます。
この記事では、ファルセットとは何か、裏声との違いや、きれいに出すためのコツと練習方法について解説します。
高音が裏返ってしまう方や、伸びが足りないと感じる方にとって、正しい裏声の使い方を身につけるための手がかりになるはずです。
歌唱力を高めたい方や表現力の幅を広げたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ファルセットとは?裏声との違い

ファルセットとは、声帯を軽く閉じた状態で、息を多く含ませて出すテクニックの一つです。
「裏声」とも呼ばれることもあり、地声とは声の出し方や響きがまったく違います。
ファルセットは高音をやわらかく、時にはかすれたような印象で表現したいときに活用されます。
クラシック・ポップス・ミュージカルなど幅広いジャンルの楽曲で用いられており、表現の幅を広げるためにも重要な発声法です。
正しい使い方を身につけることで、喉への負担を抑えつつ、より美しい高音を響かせることができます。
ファルセットと裏声の違い
ファルセットと裏声は同じ意味として使われることもありますが、実際には裏声の一種に分類されます。
裏声にはファルセットのほか、芯があり力強い響きをもつ「ヘッドボイス」などがあります。
ファルセットは声帯を軽く閉じた状態で息を多めに通して出すのに対し、ヘッドボイスは声帯全体をしっかりと閉じて振動させるため、響きが強くなります。
それぞれの特性を理解し、曲調や伝えたい感情に応じて適切に使い分けることで、歌の表現力を大きく高めることができるでしょう。
ファルセットをキレイに出す4つのコツ

ファルセットは高音を無理なく表現するために有効な発声法ですが、正しく出せていないとかすれたり、音が不安定になったりすることがあります。
きれいなファルセットを出すには、発声の基本である呼吸法や喉の使い方を見直すことが大切です。
例えば、声の響きを口や頭の奥に集める意識を持つことで、音がはっきり聞こえるようになります。
ここでは、ファルセットを美しく響かせるために意識すべき4つのポイントを解説します。
どれも自宅で実践できる内容ですので、キレイなファルセットを身に付けたい方は、ぜひ試してみましょう
腹式呼吸を習得する
ファルセットを安定して出すためには、腹式呼吸の習得が欠かせません。
腹式呼吸とは、息を吸ったときに胸ではなくお腹が膨らむ呼吸法のことで、身につけることで発声時に使える息の量がコントロールしやすくなります。
ファルセットは息の流れが声に直結するため、呼吸が浅いと音が途切れたり、不安定になったりします。
腹式呼吸の習得方法として、まずは仰向けに寝た状態で腹式呼吸の感覚をつかみ、日常的に練習することが効果的です。
息をゆっくり吸い込み、お腹を意識しながら一定の量を吐き出すことで、安定した発声に必要な呼吸法が身につきます。
基礎から丁寧に取り組むことが、美しいファルセットへの第一歩です。
喉を十分に開く
ファルセットを美しく響かせるには、喉を十分に開いた状態で発声することが重要です。
喉が閉まっていると音が詰まったように聞こえ、ファルセット特有のやわらかさや抜け感が失われます。
喉を開く感覚をつかむにはまず、あくびをしたときのように口の奥を持ち上げて、喉の奥に空間ができた状態を意識してみましょう。
この感覚を保ちながら声を出すと、空気が自然に抜けていき、響きも安定します。
また、鏡を使って喉の奥の動きを確認しながら練習するのも、効果的な練習方法の1つです。
緊張や力みがあると喉が締まりやすくなるため、リラックスした姿勢で深く息を吸うようにしましょう。
声量を抑える
ファルセットは、息を多く含む繊細な発声法であるため、大きな声で出そうとすると喉に力が入り、かすれや裏返りの原因になります。
ファルセットでは、響きの柔らかさや滑らかさに意識を向け声量は抑えるよう心がけるようにしましょう。
音を遠くまで響かせようと無理をするのではなく、空気の流れに乗せるような感覚で声を出すことで、安定したファルセットに近づきます。
また、声量を抑えると細かな音の変化を表現しやすくなるため、歌全体のニュアンスにも奥行きが生まれるでしょう。
頭に響かせるようにして声を出す
ファルセットを美しく響かせるためには、声を頭部に共鳴させる意識を持つこともポイントとなります。
頭に響かせるとは、声を頭の上方向に抜けさせるような感覚で発声することです。
額の奥や頭の中心に響きを感じるようにすると、音が軽やかに広がり、ファルセット特有の柔らかさが際立ちます。
また、鼻腔や上あごの奥に息を通す意識をもつと、自然に頭部への共鳴が生まれやすくなります。
口の形や舌の位置にも注意しながら練習すると、少ない力でもよく響くファルセットを出せるようになるでしょう。
ファルセットの練習方法3選

「ファルセットは地声よりも繊細な発声であるため、自在に使いこなすには日々の継続的な練習が欠かせません。
ここでは、初心者でも実践しやすく、確実に効果を感じられる練習方法を3つ紹介します。
毎日の練習に取り入れることで、自然で響きの良いファルセットを習得できるでしょう。
さまざまな母音で試してみる
ファルセットの安定した発声を身につけるためには、さまざまな母音を使った練習が効果的です。
たとえば、「あ」「い」「う」「え」「お」といった母音を一音ずつ丁寧に発音し、それぞれの響きやすさや出しやすさの違いを確認してみましょう。
特に「う」や「お」は口の奥を意識しやすいため、共鳴の感覚をつかむのに適しています。
母音によって音の抜け方や息の使い方が変化するため、すべての母音でバランスよく練習することが重要です。
また、鏡を使って口の開き方や舌の位置をチェックしながら行うと、より効果が高まります。
発音ごとのクセを見つけて改善していくことで、より滑らかで自然なファルセットを習得しやすくなるでしょう。
音程を変える
ファルセットを安定して出すためには、音程を変えながら練習することが非常に効果的です。
単一の高さだけでなく、低めの音から高音へ、またはその逆のパターンで声を出すことで、喉の柔軟性と声帯のコントロール力を高められます。
ピアノやキーボードを使って音程を確認しながら半音ずつ上げ下げしていく方法が、特におすすめです。
スムーズな音の移動を意識すると、地声とのつながりも自然になります。
高音域に向かって力が入ってしまうと喉が締まりやすくなり、響きが損なわれるため注意が必要です。
無理をせず、発声の感覚を確かめながら練習することが、音域を広げて美しいファルセットを習得する近道になります。
地声とファルセットを交互に発声する
ファルセットの練習には、地声と交互に発声するトレーニングも効果的です。
地声とファルセットを行き来することで、声の切り替えが滑らかになり、高音域の発声がより自然に聞こえます。
たとえば「ま→は→ま→は」のように、同じ音程で声質だけを切り替える練習を繰り返すと、喉の力みを抜いた発声ができます。
最初は声が裏返ったり途切れたりするかもしれませんが、諦めずに繰り返すことで徐々に安定してきます。
ここで重要なのは、地声とファルセットを分けて考えるのではなく、両者のつながりを意識することです。
無理なく移行できるようになることで、表現の幅が広がり、歌全体の完成度も向上するでしょう。
ファルセットが出るようになることの3つのメリット

ファルセットを習得すると、以下のようなメリットがあります。
- ・高音をコントロールしやすくなる
- ・透き通った声が出る
- ・声が力強くなる
ここからは、それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
高音をコントロールしやすくなる
ファルセットを使いこなせるようになると、高音域の発声を自在にコントロールできるようになります。
地声では届きにくい高音域も、喉に力を入れずに発声できるようになり、無理なく安定した高音が出せるようになるでしょう。
ファルセットを活用することで、高音の選択肢が広がり、楽曲のメロディにも柔軟に対応できるようになります。
さらに、高音への苦手意識が和らぐことで、歌全体に余裕が生まれ、表現の幅も自然に広がっていきます。
ファルセットを習得することで、音程の正確さだけでなく、感情の込め方や響かせ方に意識を向けられるようになるのも大きな魅力です。
高音が不安定であると悩んでいる方は、日々の練習にファルセットを取り入れてみましょう。
透き通った声が出る
ファルセットを習得すると、柔らかくて透明感のある響きを持った声が出せるようになります。
声帯の一部だけを振動させるファルセットは、地声よりも空気を多く含んだ繊細な音色であるため、感情表現の幅を広げたい場面や、静かでしっとりとした雰囲気を出したいときに非常に効果的です。
特にバラードやR&Bなどのジャンルでは、透き通ったファルセットが楽曲の世界観をより深く引き立ててくれます。
滑らかで耳に残るような響きを出すには、息のコントロールと共鳴の位置を意識することが大切です。
ファルセットによる澄んだ音色を身に付けることで、聴く人に強い印象を与え、歌全体の完成度も高まるでしょう。
声が力強くなる
ファルセットの練習を継続すると、呼吸筋や声帯周辺にある筋肉が鍛えられることで、地声の響きが安定し、声全体も力強くなります。
ファルセットと地声をバランスよく使い分けられるようになると、声の厚みに変化がつき、歌唱にメリハリが生まれます。
また、無駄な力を抜いて発声できるため、声の通りが良くなり、遠くまで響く芯のある声を手に入れられるでしょう。
単に高音を出すだけでなく、音域全体に渡って安定した声を保てるようになるのが、ファルセットを練習することの大きな魅力です。
ファルセットをマスターするにはボイストレーニングがおすすめ

ファルセットは感覚的に出せたとしても、正しい響きや安定感を持たせるには専門的な練習が必要です。
自己流で続けていると、喉に負担をかけたり、響きが安定しなかったりといった課題に直面することもあります。
こうした課題を解消し、より効率的にスキルを向上させたい場合は、シアーミュージックのボイストレーニングがおすすめです!
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また、シアーミュージックでは、幅広いジャンルに対応した講師陣の中から相性の良い講師を選ぶことが可能です。
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ファルセットは、高音域をやわらかく、そして美しく表現するために欠かせない発声法の1つです。
地声とは異なる声帯の使い方によって、息を多く含んだ繊細な響きを作り出すことができますが、正しく使いこなすためには、腹式呼吸や喉の開き方、響かせ方を意識することが重要です。
練習を重ねれば、透明感のある高音や、芯のある安定した声を出せるようになるでしょう。
確実にスキルを高めたい方は、シアーミュージックのボイストレーニングを受けて、効率的な上達を目指しましょう!