しゃくりとは?正しい出し方やカラオケで使うときのポイントを解説!

「しゃくり」という言葉をカラオケの採点画面や歌の上手い人からの話で耳にしたことはありませんか?
しゃくりとは、歌に深みや表現力を加えるための非常に重要なテクニックです。
本記事では
- ・しゃくりとは何かの基本概念
- ・しゃくりの正しい出し方や練習の方法
- ・カラオケで高得点が出るしゃくりのポイント
- ・しゃくりが多い場合のデメリットと改善策
などを徹底的に解説していきます。
この記事を読めば効果的な表現技法として使いこなし、あなたの歌を一段階レベルアップさせることが可能です。
目次
しゃくりとは?「こぶし」「ビブラート」の違い
しゃくりは単に音を出すだけでなく、歌に感情や抑揚を与えるために欠かせないテクニックです。
まずは、しゃくりの基本的な定義と、「こぶし」「ビブラート」との違いを理解しておきましょう。
しゃくりの基本的な定義
しゃくりとは、ある音程を出す直前に、その音より低い音から滑らかに目的の音程に到達させる歌唱テクニックです。
音程を階段のようにカクカクと移動するのではなく、低いところからグイッと引き上げるようなイメージで行われ、声帯の微細なコントロールが必要になります。
歌声に情感や切なさを加える効果があり、特にバラードなどで多用されます。
しゃくりと「こぶし」「ビブラート」の違い
しゃくりと混同されやすいテクニックに 「こぶし」や「ビブラート」があります。
- 【こぶし】
- 【ビブラート】
- 【しゃくり】
・一音節の間に瞬間的に別の音程を挟み込むことで、音程をうねらせる技術
・主に演歌や民謡などで使われる装飾的なテクニック
・目的の音程を維持しながら、その音程の周波数を周期的に細かく揺らす技術
・音に響きと伸びを与えるもの
・低い音から目的の音へ滑らかにつなげる、音程へのアプローチ方法
上記で他の二つとは明確に区別されるので、それぞれの特徴と違いを理解することで、しゃくりを意図的に使い分けましょう。
カラオケの精密採点システムにおける「しゃくり」とは
カラオケの精密採点システムでは、しゃくりは「表現力」の一つとして採点対象になります。
このシステムは歌唱の際に音が下から上にしゃくり上げられた回数を検出しており、採点結果に「しゃくり回数」として表示されます。
しゃくりが適切に使われていると歌に抑揚や表現力があると評価され、高得点につながりやすくなります。
ただし、不必要なタイミングでのしゃくりや、音程のブレと判断されるような不安定なしゃくりは減点対象になる可能性もあります。
精密採点におけるしゃくりは、「意図的かつ正確に行われた」場合に評価されると理解しておきましょう。
歌にしゃくりを使うメリット
しゃくりを習得すると様々なメリットがあり、表現力が向上することで魅力的な歌唱につながります。
ここでは、しゃくりがもたらす具体的なメリットを解説します。
歌声に深みと抑揚が生まれる
しゃくりを使う最大のメリットは、歌声に深みと抑揚が生まれることです。
単調になりがちなメロディラインに変化が生まれ、聴き手に感情の動きやニュアンスが伝わりやすくなります。
曲の中で最も盛り上がる箇所や感情を込めて歌いたいフレーズでしゃくりを使うと、その音の存在感が際立ち、聴き手の心を掴むきっかけになります。
カラオケの採点で「表現力」がアップし高得点に繋がる
カラオケの精密採点機能では、しゃくりは「表現力」の評価項目に含まれています。
音程やリズムの正確さに、しゃくりやビブラートなどのテクニックが加わることで、総合的な表現力が高いと評価されます。
カラオケで高得点を狙う方にとって、しゃくりは必須のテクニックと言えるでしょう。
プロの歌手も使う表現技法を習得できる
しゃくりは、プロの歌手が楽曲に個性を出し聴き手を感動させるために日常的に用いる表現技法で、感情的な表現を重視するポップスやR&B、演歌など、ジャンルを問わず広く使われています。
しゃくりを意図的に使いこなせるようになれば、プロの歌唱技術に一歩近づき、憧れの歌手の歌い方をより深く理解できます。
繊細な感情表現を自分の歌にも取り入れられるようになるのが、このテクニックを習得することの大きな魅力です。
しゃくりの出し方と練習ステップ
しゃくりを効果的に使うためには、正しい発声方法と練習ステップを段階的に踏むことが大切です。
ここでは、しゃくりをマスターするための具体的な方法を解説します。
しゃくりを出すための具体的な発声方法
しゃくりを出すための基本は、喉をリラックスさせ、腹式呼吸で息を安定させるサポートをすることです。
具体的な手順は以下の通りです。
- 1.目的の音程を正確に把握する
- 2.半音〜全音下の音からスタート
- 3.滑らかに音程を引き上げる
- 4.目的の音程を安定させる
しゃくりたい音の音程を頭の中でしっかりとイメージします。
目的の音の半音または全音下の低い音からごく短く発声します。
低い音から目的の音程に向かって、音を滑らかに持ち上げます。
急激に音を上げすぎると音程がブレたり単なる音程の外れに聞こえたりするため、滑らかさを意識してください。
目的の音程に到達した後は、その音をしっかりと安定させて維持します。
この動作を、力を入れずに自然に行えるようになるまで繰り返しましょう。
しゃくりを安定させるための練習ステップ
しゃくりを安定させるためには、以下のようにステップを踏んで練習するのが効果的です。
- 1.ウォーミングアップ
- 2.音程の「スライド」練習
- 3.短いフレーズで試す
- 4.テンポを遅くして練習
・リップロール(唇を軽く閉じ「プルプル」と震わせるように息を吹く)
・タングトリル(「トゥルルルル…」と舌を口の中で震わせる)
上記の方法で声帯周辺の筋肉をほぐし、発声の準備をします。
ピアノやアプリの音を参考に、半音階や全音階を使って「ド」から「ド#」へ、ゆっくりと音程をスライドさせる練習をします。
これが、しゃくりの基礎となる練習になります。
曲の一番簡単な部分や、単語一つだけにしゃくりを加えてみましょう。
最初はオーバーなしゃくり方で練習し、徐々に自然な深さに調整していくと感覚を掴みやすいです。
曲のテンポを落とし、しゃくりのスタートとゴールの音程や、スライドさせる速さを細かく確認しながら練習します。
しゃくりが多いのは良いの?
しゃくりを使いこなすことは歌に深みと抑揚を加えるなどのメリットがありますが、多すぎるのは逆効果です。
また、無意識にしゃくりを多用しすぎてしまう「しゃくり癖」に陥ってしまう人も少なくありません。
以下では、しゃくりが多いことのデメリットと、しゃくり癖の原因や矯正方法を解説していきます。
「しゃくりが多い」ことのデメリット
しゃくりが多すぎると、音程の不正確さとリズムの乱れによって歌が不安定に聞こえてしまいます。
しゃくりはあくまで装飾的なテクニックであるため、フレーズ全てにしゃくりが入ると、聴き手が「どの音が正しい音程なのか」を認識できなくなります。
また、しゃくりによって音程にアプローチするタイミングがずれると、リズムも不安定になりがちです。
過度なしゃくりは、歌の「幹」である音程とリズムを曖昧にし、歌全体が不安定に聴こえる原因になります。
しゃくり癖が発生する原因
しゃくり癖は、カラオケの採点でしゃくりが評価されることを知り、高得点を取るためにしゃくりを増やすことがきっかけと考えられます。
やがてしゃくりが癖になると、発声する際に無意識に喉がその動作を繰り返すようになり、意図しない場所でもしゃくりが入るようになってしまいます。
採点結果に一喜一憂する人は、この癖に陥りやすい傾向があるので注意しましょう。
また、正確な音程を出す自信がないため、しゃくりで音程をぼかしてごまかそうとすることもしゃくり癖の原因の一つです。
しゃくり癖を克服するための具体的な矯正方法
しゃくり癖を克服するには、以下の方法で正確な音を出す基礎練習を行い、歌を矯正していきましょう。
- 1.音階練習の徹底
- 2.あえて「しゃくり禁止」で歌う
- 3.録音して客観的にチェック
ピアノやチューナーアプリを使い、一音一音を正確に当てる練習を繰り返します。
特にしゃくりが出やすい場所は、音を伸ばして安定させることを意識しましょう。
普段歌っている曲を、しゃくりを意識的に禁止して歌ってみます。
しゃくりを「ごまかし」として使っていた部分が露呈するため、どの音程が不安定だったのかを明確にできます。
自分の歌を録音し、どこで無駄なしゃくりが入っているかを客観的に聞き直します。
どの音でしゃくり癖が出ているかを特定することが矯正の第一歩です。
しゃくりを歌に使うコツ
しゃくりを単なるテクニックとして終わらせず、歌に感情と深みを与える表現ツールとして使いこなしましょう。
あなたの歌のレベルを一段階上げるために、ここでは特に意識すべき実践的なコツを紹介します。
効果的なしゃくりのタイミングと回数
しゃくりは歌のすべての音に使うべきではありません。
効果的なタイミングと適正な回数を意識することが、プロのように洗練された歌い方につながります。
しゃくりを使うべきタイミング
以下のように、曲のどの部分かによって、しゃくりを使うべきタイミングは異なります。
・歌詞の始まり:特に感情を込めて歌いたい言葉の最初の音
・母音のロングトーン :音を長く伸ばす母音の直前
・サビや強調したい部分:歌の中で最も盛り上がる部分や聴き手に特に伝えたいフレーズ
適正な回数
しゃくりは「多すぎない」ことが重要です。
一曲の中で、特に感情を強調したいタイミングに限定し、意図的に使うよう心がけましょう。
目的(感情)に合わせてしゃくりの長さを調整する
しゃくりは以下のように「長さ」や「深さ」によって聴き手に与える印象が変わります。
- ・短く鋭いしゃくり:驚きや力強さといった瞬間的な感情の高まりを表現するのに最適
- ・長く緩やかなしゃくり:切なさや憂鬱さといった繊細で持続的な感情を表現するのに有効
歌うフレーズの感情に合わせて、しゃくりの長さを調整する意識を持ちましょう。
練習曲の音源を聴き、しゃくりの回数やタイミングを分析する
練習している曲のプロの音源を改めて注意深く聴き直してみましょう。
- ・しゃくりの場所:フレーズの最初か、途中か、または語尾か
- ・しゃくりの深さ:半音程度か、それ以上か
- ・しゃくりの目的:切なさを出しているのか、力強さを出しているのか
これらの情報をメモに書き出し、自分の歌唱と比較しながらプロの意図を再現してみましょう。
しゃくりを正しく習得するにはボイストレーニングがおすすめ!
自己流の練習を続けると、しゃくり癖がついてしまったり、上達に時間がかかったりすることがあります。
しゃくりを極めたい、あるいは無駄な癖を確実に直したいと考えるならボイストレーニング(ボイトレ)でプロの指導を受けるのが最も効率的です。
独学でのしゃくり練習が難しい理由
しゃくり練習が独学で難しいのは、主に客観的なフィードバックがないことと基礎力の不足の二点です。
自分の歌声を録音して聴き直してもどこまでが「良いしゃくり」で、どこからが良くない「しゃくり癖」なのかを判断するのはなかなか難しいです。
また、しゃくりは声帯の微細なコントロール技術であるため、音程の正確さや安定した発声という歌の基礎ができていないとそもそも成立しません。
基礎が安定していない状態でしゃくりだけを練習すると、無駄な力が入ったり間違った発声方法を癖づけてしまうリスクがあります。
ボイストレーニングがしゃくり習得・矯正に効率的な理由
プロのトレーナーはあなたの歌声をその場で聴き、しゃくりの深さやタイミングの過不足を即座に指摘します。
独学では気付けない無意識のしゃくり癖に対し、矯正するための具体的な発声練習メニューの提供が可能です。
さらに、しゃくりの土台となる正確な音程と安定した発声の基礎トレーニングも同時に行います。
ボイトレを受講することで、しゃくりを表現技法として意図的に使いこなすための土台をしっかりと築くことができます。
しゃくりを習得したいならシアーミュージックのボイストレーニングへ!
音楽スクールのシアーミュージックでは、マンツーマンで一人ひとりの目的やペースに合ったレッスンを行っています!
しゃくりの習得はもちろん、歌の表現力を総合的に高めるための様々なテクニックを同時に学ぶことが可能です。
レッスンは担任製ではないため、学びたい内容やジャンルに合わせて講師を選ぶことができるのも大きな魅力です。
専用サイトでレッスンの空き状況を確認して、自分のスケジュールに合わせて曜日や時間を選ぶことができます。
シアーミュージックでは無料体験レッスンを開講していますので、ボイトレの雰囲気を知りたいという方はお気軽にお越しください!
お問い合わせはこちらから!しゃくりとは?まとめ
本記事では、以下の点を解説しました。
- ・しゃくりとは何か
- ・具体的なしゃくりの出し方や練習方法
- ・「しゃくりが多い」状態からの改善策
しゃくりとは、単なるテクニックではなく歌の感情表現を深めるための重要な要素です。
しゃくりを歌の表現として意図的に使いこなすためには、音程を正確に捉える基礎練習がとても重要です。
独学では難しいしゃくり癖の矯正や、正しいしゃくりの習得には、プロのボイストレーニングを受けることが最も効率的です。
プロの指導のもとで歌の基礎を固め、しゃくりを使いこなしてカラオケのレベルを向上させていきましょう。

